読者です 読者をやめる 読者になる 読者になる

小松菜奈を許さない -映画「バクマン。」

見た人へ贈る、ぼくの映画「バクマン。」に思うことを綴る。

 

もう見たという人に向ける記事だから、バクマン。とはなんぞや?というハウツーみたいな注釈を入れる必要がないだろうということで見た人向けの記事に指向を変えたってことはたぶん言わずもがなだろうけど、これは主に原作を読んでいる現在ないし以前読者だった人たちに共有したい。

 

小松菜奈の起用を絶対に許さない

この作品が映画化されるにあたってキャストが発表されて、まずネット上で賛否両論飛び交ったのが主役2人のキャスティングが逆の方がベターじゃないか?って話だったんだけど、そのビッグニュースの裏にひっそりと影をひそめた亜豆美保 役の小松菜奈小松菜奈と言えば「渇き。」で度胆を抜いた演技で話題になった女優。売春・ドラッグ・バイオレンスともう嫌な女役なら何でも来いって感じにハマり役で、それが次の映画出演作品が清純派ってどうなんですか?

僕個人の感覚で言えば、前作の印象が強すぎてとてもじゃないがダブらせて見ないことが出来ない。間にスパンを設けて演技の幅を増やしてこういう小松菜奈もどうですか?っていう視聴者への提示ならまだわかるんだけれど、ここまで極端な役だと流石に難しいわけで・・・。小松菜奈許せない。絶対に。絶対にだ。

亜豆美保が如何に尊い存在か、原作を読んでいる方ならわかると思う。小松菜奈では無い。じゃあ逆に誰がいるんだ?って聞かれてベストな答えは出ないけど、ベターな答えなら誰だって出せるレベルで合ってないと感じる。もっとこう、なんていうか、目の大きいおしとやかな柔和な感じなんです。なんか清純のイメージに近い太眉(素朴?)は亜豆美保には合わないんだよな。作中でも周りに浮かないように自然とふるまう所作を高木が褒めていたように何も手入れをしていないとは違う、ステレオタイプなお嬢様のような気品を兼ね備えている尊い存在なんだよな。小松菜奈はそのアンチ亜豆美保を両方備えちゃってるもんだから違和感しかない。腹黒そうなイメージが付くキャスト・顔は亜豆美保に合わない。僕は誰が何と言おうと小松菜奈を起用した奴を許さない小松菜奈は頑張って亜豆っぽさを出そうとしたので許します。

中井巧朗がうるさい

次に中井巧朗がうるさい、というかウザイ。いきなり大声出して興奮する人を白い目で見るあの感じ。あれ?こんなにグイグイ入ってくるうざいヤツだったか?ってくらいに目障りなキャラになってしまった。こんな改悪する必要あったのかなってちょっと残念。

伏線回収ができていない

原作に準拠していて映画という尺の決まった中でどこを掘り下げどこを切り取っていくかってのは映画の評価にもつながる大事な部分だろう。「バクマン。」に関してはそれが雑だった感じがある。亜豆と最高の関係は漫画家になるきっかけでもあったのだから出す必要はあったのだろうけど、ラストで亜豆と最高は何の進展もなく終える。ハッピーともアンハッピーともいえない連載の次回作の構想で終えるってのはモヤモヤが残る。二人がお互いに連絡取っている描写とかに時間を割いているのに、えっ入院に会ってそれ以降なし?って拍子抜けしてしまった。

新妻エイジが悪役になってしまった

原作では新妻エイジってのは純粋な漫画狂の天才。主人公たちの才能をとことん信じてくれる切磋琢磨してきた仲間だったはずなのに、映画では主人公含む同期の入選組に対立する悪役にみえる構図ばかりだった。愛らしい新妻エイジくんはどこにいっちゃったんですかぁ~。新妻エイジの良さをつぶしてしまったとしか思えないのです。天才というか子供らしいというか、良いものは良い、悪いものは悪い、で主人公たちに常に正当性を提示してきて主人公たちは感化される存在だったのに・・・すごく残念です。

 

と、ぼくが感じた不満です。他にもいろいろあるんですけど主立っているのはこの4つ。尺もあるので登場人物が減らされるのはわかってたけど、学校シーンがほぼほぼカットされてしまったせいで見吉が出られる部分がなかったことで見吉消滅というのが結構悲しかったり。蒼樹紅も登場初期から長い時間をかけてキャラが変わって印象も違ってくるので尺的に難しかったのかな。それでも「バクマン。2」って可能性は感じなかった。

ここまで違うと原作と映画は別物と考えたほうがいいかもしれないですよね。原作の設定を踏襲した映画オリジナルストーリーの展開に感覚としては近いです。原作で時間をかけて描いた話の最短距離をズバズバ行ってる感じだったし、「友情 努力 勝利」を用いた終盤の盛り上がりでまとめ上げたことで上手く仕上がったでしょっていうドヤ顔オーラがプンプン匂ってきた。ハイタッチのシーンと後日談的なエンディングにつながる部分は序盤のスラムダンクネタのオマージュスラムダンクの山王戦のラストのハイタッチとその後あっけなく負けた部分を意識しているんだと思ったけど実際どうなんだろ。

しかしながら、途中の漫画を作ってる描写やエンドロールの単行本の背表紙で小道具や美術などの人の名前を過去の人気作のタイトルを文字っている部分などは凝っているなあって感じました。あのマンガのペンもちながら新妻エイジと戦ってる描写どっかでみたことあるんだよな、なんだっけ。あ、サカナクションの音楽はよかったです。劇中曲もインストじゃなくてボーカル入れてほしかった。

原作大好きな人は見ないほうがいいかもしれません。ぼくはそう思います。余計な知識を蓄えずに映画だけで楽しむことをお勧めするし、楽しめるからそれがベストな干渉方法だとおもいました。何が一番言いたいかっていうと、亜豆美保は尊い(確信)。(おしまい)