みずほダンスが最高にキマってる件

「みずほダンス」って知ってる? 

全知全能(通常盤)

全知全能(通常盤)

 

 

 Twitterを見ていたらプロモーションにみずほ銀行のツイートが出てきて、ポルカやんけ!って思ってフルVerの動画を観た。

 

色々と思うことがあって言語化上手くできないんだけど、とりあえず思いついたことから順番に書き殴っていこうと思う。

 

このポルカドットスティングレイってバンドは今年、ってか11月8日にメジャー1stを出したばかりの新進気鋭のバンドで、iTunesとかでもプッシュされててぼくも何度か聴いたことがある。悪くは無いと思うんだけど、まだ個性が出てないっていうか、良くも悪くも平均的な印象を受けたバンドだった。

実際商業音楽なんだから、そういったバンドでもプッシュすれば売れてしまうような感じがするのは何とも言い難いけれど、ゲスの極み乙女。と同じ感じのプッシュを受けているけれど川谷絵音ほどの才能は未だ表に出せてないから、事務所が推してるだけ感が強い。

って思ってたんだけど、このみずほダンスとのタイアップの曲「BLUE」は凄く良かった。企業とタイアップするのに凄くバランスがいいと思った。このタイアップが無ければ印象はガラッと変わっていたかも知れないくらいには、タイアップで評価が上がっているところはある。

この曲はみずほ銀行のために書き下ろした曲で、銀行員とかみずほのテーマカラー青とか今回のプロジェクトとかそういったのを全て楽曲に落とし込めている。ポルカの描く世界観があまり入ってこなかったんだけど、こういう風に何かテーマを決められてそれに沿って描くのは凄く上手だなと思った。自分らしさを曲に出すことはできる、それは与えられたテーマだとしても。それも一つの才能なんじゃないかなと思うし、彼女らはそういった土俵で戦えば今以上にヒットすると思う。

ポルカの楽曲って本当に現代のJ-Rockのそれで、似た楽曲やテーマや演奏方法がそこらへんに転がっているというかドンドン出てきている音である印象。

でも、それってメジャー1年目だったら仕方ないというか咎められることでもない。

それでも、みずほ銀行って大手がタイアップするアーティストにしては少し癖が強すぎると思うんだけど、そこでポルカにオファーを出すみずほ銀行には脱帽。おかげでこの動画は少し異質な空気が流れている。(まぁ、それは社員が400人も踊りを覚えて踊っているってこともあるんだろうけど。)

 

でも、この動画凄く好き。カメラワークは滅茶苦茶カッコイイし、撮影場所も全国各地雰囲気も全然違うところで、大金が動いている感じがビンビン伝わってくる。社員も数百人(厳選された)だし、色々と金銭面や労働面での憶測からの批判も多く見受けられることだろうけど、この挑戦的な動画は半端じゃなくキマってると思うんだよね、カッコイイって意味でもアブノーマルって意味でも。

どっかで見たことあるようなカメラワークの多用、最近の流行の演出も多くて、演出面から見たら本当に完成度が高くて相当精査された動画になっているのに、肝心のみずほダンスとやらがクッソダサい。素人に踊れるように踊りの質を下げたのかもしれないけれど本当にダサい。曲もカメラワーク、舞台もカッコイイのに踊りがダサい、このアンバランスさが癖になる。

いきなりロボットダンス、新聞の折り畳みまで所作がかっこいいところからポルカVoの雫がフレームインして警備員までもがベースを鳴らしている。全体ダンスに移ったらドラムスティックを回すアクションにフォーカス・イン。フォーカス・アウトしたら、途端にダサくなる全体ダンス。それとは対照的によくある機材しか置いてないところで淡々とかっこよく歌い上げるポルカ

 

(な…なんなんだ?ぼくは夢でも見ているのか...?)

 

恥ずかしくてにやけてしまうくらいにズレがあった。でもでも、これが大手企業の分からず屋具合というか、これでOKと思ってしまってるんだ...って感じが凄く出ててリアリティがあって好感が持てた。こんな感じだよな~、ポルカ起用した担当だけ良し!って笑っちゃう感じ。

なんて思ってたら、今度は急に広大な草原が広がってカメラも演者達をサーッと流れるように駆け抜けたと思ったら今度は更に距離を取ったドローン撮影みたいな絵になったり、3点くらいからの絵がコロコロ変化する疾走感に奥行きがある広々とした大自然、そこに風力発電という科学の結晶が映りこんでいる、映像が完成していることが美しい。だけど、ダンスは相変わらずダサい。本当にブレないなあって笑った。

そのあともビーチで皆一斉にカメラを向く、それもサングラス掛けてキメちゃってる絵が出てきたと思いきや、ラジオ体操みたいなゆるーいダンスに移行。

フィルムワークの起用担当も良し!なのに、振付~~~!てなっちゃう。

ってか、振付自体はそんなに嫌いなわけじゃない。横浜で踊ってるダンスなんかはみんなバラバラのダンスをしているのに統一感が取れているのすごいと思うし、やっぱりプロの振付師の人が考えているってことはしっかり見てとれるんだけど、この曲とカメラに合ってないんだよな~~~~。振付師の起用担当、オメーはダメだ!

 

社員400人を選定したって言ってたけど、どの基準で選んだのかな?

観た感じ若手が多かったので一部の物好きの重役、もしくはいろんな役職の人が出てますよ感を出すために割と融通の利く人に頼み込んで出てもらったのかはわからないけど、割とみなさん顔が整っているというか、際立ったブサイクが居なかったと思う。

だから、希望者が過多だったとしてもそうでなかったとしてもある程度は広報担当なり担当者からの選定や通達があった気もする。ダンスが上手だったり、やる気があったりり、顔立ちが良かったり。たとえどんな条件であれ、もう少しバリバリカッコイイ踊りにしてあげてもよかったのかな、って思った。直近で一番話題になったダンスといえば「マルマルモリモリ」逃げるは恥だが役に立つ」の「恋ダンス」だけど、あれも素人には難しいレベルのダンスを役者たちが頑張って覚えたって話はあまりにも有名だし、そんなダンスを踊ってみた動画が沢山公開されるくらいには一般浸透してしまうということは、裏を返せばプロ仕様でもある程度までなら厳選されたセンスのある社員なら踊れてしまうということになる。「恋ダンス」の一件があった後なんだから、振付担当もう少しレベル高く注文しても良かったんじゃないですかね~って外野から内情もわからないくせにイチャモンをつけてみた。

スタッフロールが出たときの皆楽しんでる感じが凄く好き。演技だとしてもそういう顔をしっかりできる素人社員のみなさん(社員としてはプロ)すごいと思う。あぁいうオフカットはほっこりするし、大好物。あの最後のいえーい!みたいな感じの描写が無かったら、きっとこの動画好きになってなかったかも。曲だけ好きだったかもしれない。アレ大事。名前の順番とかは恣意的なものを感じたけど、気づかなかったことにします。

 

まぁ、そんなこと思ってる内に動画は終了してしまう。ある意味、策略にハマっていたのかもしれない。動画観終わったらこの変な感じが癖になってリピートしちゃってる自分がいるし、頭からポルカの曲が離れないし、ポルカの曲を聴いたらあのみずほダンスが頭にフラッシュバックしてしまうし、「どうしてくれんだよォ!みずほ銀行!」って感じ。

 

でも、このポルカの曲が凄く良くて、みずほダンスはあれだけど、一度ポルカの曲目当てだけでもいいから動画のリンクを踏んでほしいんだよね。画面は見なくていいから目を閉じて曲だけでいいから聴いてほしい。動画も観れば笑えてくるけどカッコイイという謎体験できるからオススメなわけだけど。

 

AメロとBメロがかっこいいのでどっちも歌詞を見ながら聴いていただきたい。

 

不可能を可能にするって簡単に言うけれど
そんな簡単なら最初から
「不可能」なんてこと言わないし
どうか翼を授けてください
鳥のように舞いたい 宛てはないけれど

 

 いきなりこんなこと言ってくるあたり、大手企業として理念的な部分ではカッコイイ綺麗事を言ってくれてる感じが好き。誰がこういった大きなことを言ってくれるのか、それはやっぱり大手なんだと思う。だけど、そのすぐ後に誰かに願っている。そういう脆さも身近に感じるアクセントだとするならばうまくまとめられている気がする。

 

面白くもないことが面白くなるならば
そんな素敵なことなんてないよね
何事もないように出て行ってください
そんなはずないよね 上手くいかない毎日が 

 

 素敵な事について語ってるだけでは、自分が当事者なのかわからない。だけど、この歌では上手くいかない毎日って歌ってるし、寄り添った歌として歌っている。それがぼくらがこういった企業に求めてる第一理念であって、ポルカの意志なのかそれともみずほの意志なのかはわからないけど、そういうのをプロモーションに入れるのは大正解だと思う。そうやって素敵な毎日にしてください。

大丈夫、Take it easy
あえて闘いたい
変わりながら、ずっと

 最後をこうやって締めてくれているのが歌として上手く纏まりが取れていて好き。

変わりながら闘い続けるってすごく難しい。応援歌になっていながら自戒する歌にしてくれてポルカドットスティングレイに感謝しかない。一つ文句を言うとするなら4分くらいの長い曲にしてほしかった....。

 

ちなみに、「BLUE」目当てで新譜「全知全能」を発売当日からずっと聴いてたけど、アルバムとしてはNot for meだったので、次のシングル、アルバムで期待しています。(おしまい)